前号に続いて、長崎県の離島A市のN社販売部門店で働く非正規労働者の実情報告。

 

▽違法だらけの労働条件(続き)

 5.ほぼ昇給がない。勤続年数にかかわらず、賃金に目立った差はない。これは、勤続が長い労働者の不満を生み、労働者間にあつれきを作り出すこともある。

 6.夏・冬の一時金はゼロ。店長のみに支給。

 7.F有給休暇は男性非正規社員の場合、取りたくともとれていない。

 8.G女性の非正規社員への賃金差別。「男性よりも低く設定されている」というCさん(女性)。総じて、「労基法違反」が放置され、正規労働者との格差もいちじるしい。

▽コンプラの死文化

 N社作成の社内コンプライアンス・マニュアルには「○○の行為によって、職員の『切羽詰まった状態』が作り出されていないか意識・確認する…残業代カット…正当に評価されない給与システムの見直し」とある。この文言どおり処遇改善されていなければ、この一文は綺麗ごとで、死文化していると言わざるを得ない。それとも、非正規雇用労働者はこのマニュアルの埒外に置かれているのか。

 全国の彼らの実状は、数値などのデータだけでなく、生の実態に触れるのが重要だと思う。彼らは、怒り、叫び、悩み、喘いでいる。彼らが自ら行動を起こすことは簡単ではなく、信頼できる存在の助けがなければ起き上がることが難しいのではないか。

▽人権問題

 以下、僭越ながら私見を述べたい。

 これは労働問題でありながら、人権問題である。人権問題という視点と認識によって、より深くより広く事態をとらえられるのではないか。労働し生活するうえでの権利を奪われ続け、非人間的な状態を強制されていることに対するアンチテーゼもそこから生まれてくるのではないか。ごく最近の非正規の裁判などでも明らかなように全国の非正規雇用労働者は人権を侵害され続けている。もちろん、勝利も勝ち取っている。

 目の前の多くの非正規の人達とコンタクトして、生の実態をつかんで共にたたかっていきたい。N社の現実にふれて矢も盾もたまらず、ほんの第一歩ではあるが、とりあえず私にできるエールは送った。今日、労働組合の存在意義はよりいっそう高まっていると思う。非正規雇用労働者は全国的に団結してたたかわなければ、活路は切り開かれないと思う。

(つづく)