今年10月5日、全国紙長崎版紙面に「陸自新連隊 3市が誘致合戦 佐世保・大村・五島 官民一体で配備要望」の見出しで「尖閣諸島など南西諸島への侵攻に対処する陸上自衛隊の離島奪還部隊『水陸機動団』に新たに創設予定の水陸機動連隊を誘致しようと今夏、県内3市が相次いで名乗りを上げた」「水陸機動団は、尖閣諸島などで活発化する中国の動きを背景に、離島防衛の切り札として18年3月に創設された」「誘致合戦の起点となったのは、国が18年末に策定した中期防衛力整備計画だ」と報じている。

 なかでも五島市では、9月23日、野口市太郎市長が市議会で誘致を目指すと表明した。これまで市内で演習・訓練を受け入れてきた「実績」を上げ、「地域の活性化にもつながる。官民挙げて取り組みたい」と述べたとのこと。

 思うに、この市長が言う「地域活性化」や「人口減対策」としての誘致はあまりにも安易すぎる。自公政権の戦争推進の動きに加担してしまう危険な政策である。人口減少の問題は難題ではあるが、別の平和的解決策を考えるべきだ。

 日本政府は明らかに中国や朝鮮に対して、敵視の姿勢をとっており、事あるごとに「日本周辺の安全保障環境は厳しさを増している」と宣伝している。イージス・アショア、敵基地攻撃能力保有論、軍事予算5兆4千億円への増額、辺野古基地建設のごり押し、インド洋での日米軍事演習、ステルス戦闘機100機購入、特定秘密保護法・共謀罪・安保関連法の成立強行、憲法改悪策動、たたかう関西生コン支部弾圧などを見れば、安倍・菅政権の目指すところは、「アメリカと共同して戦争をする日本」である。最近の学術会議をめぐる問題は科学者を屈服させて軍事研究をおこなわせることがねらいである。平和を願い戦争とたたかう学者やそのほかの各界の人々を外堀をひとつひとつ埋めるかのようにつぶしにかかっている。

 しかし、「これは今の自公政権の強さの表れではない」(本紙記事より)には同感だ。自公政権の排外的で・反共イデオロギーに満ち満ちた愚かで無謀な目論見は、地獄への道であり、必ず頓挫するしかないだろう。(つづく)