はっきり言って、この五島市長による招致は、戦争に棹さす動きだ。「官民挙げて」と言うが、市民が必ずしも歓迎しているわけではないのだ。

 太平洋戦争中、五島の島々の各所に旧日本軍の基地がつくられた。特攻基地も何か所もつくられたのだ。周辺海域では軍艦や民間船が米軍の潜水艦によって多数撃沈され犠牲者も出た。戦闘機の空中戦や米軍機による空襲の被害も出ている。

 島に軍隊を呼び入れても市民の命と平和は守れない。逆に災禍を及ぼしかねない。それが歴史の教訓だ。沖縄戦が示しているように、戦争によっては平和はもたらされない。平和を守るには、戦争を絶対にしないことである。太平洋が戦場になった激烈な日米の死闘戦を私たちは今こそ教訓としなければならない。もちろんアジア侵略の歴史的事実も教訓として忘れてはならないのである。そして、狭い日本第一主義を批判して、アジアの民衆との連帯や国際主義の視点を持とう。

 市長は、武力では市民を守れないことを理解して、誘致活動を白紙撤回すべきである。

 前回紹介した県内状況のなか、昨年10月21日に長崎市内で「10・21国際反戦デー長崎地区集会」が開かれた。主催は長崎地区労。約130人が参加。私も駆け付けた。長崎バスユニオンや郵政ユニオンの労働者は会社側と労働委や裁判などで不屈にたたかい勝利をもぎとっている。社民党の県会議員も発言して情勢に鋭く切り込んだ。集会決議では「菅・自公政権打倒!日米軍事一体化反対!辺野古新基地建設は断念を!」を掲げ、「私たちは戦争への道につながる動きに断固反対しなければならない」とした。シュプレヒコールの後、デモに立った(写真)。市内中心部を行進して気持ちは高揚した。

 この日は佐世保でも集会が開かれ、先日島原でも行われた。小規模な取り組みかもしれないが、限りなく有意義でかけがえのないたたかいだと思う。全国各地で連携して、反戦の大きな奔流にしよう。(つづく)