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 1月21日の昼休み時間帯にサンケン電気大阪支店前(大阪市北区)への抗議行動が取り組まれ、70人が参加した呼びかけはおおさかユニオンネットワーク。サンケン電気は1月20日、韓国サンケンの「廃業=全員解雇」を強行した。韓国サンケンの地元慶尚南道昌原市の市議会は、1月18日、全会一致で廃業中断を求める決議をしたが、サンケン電気はそれを踏みにじったのである。

 大阪支店前の行動は正午から韓国労働歌が流れるなかで始まった。交渉団が25階にある支社への申入れ行動に向う。路上では、各団体からのアピールが続きいた。

 東京・池袋緊急行動には150人が参加。韓国サンケン労組と連帯する埼玉市民の会は18日から20日までの3日間連続で新座市にあるサンケン電気本社門前で抗議を続けた。韓国ではこのサンケン問題は社会的問題として連日テレビ・ラジオ・新聞で取り上げられた。

▽コロナ禍の組合つぶし

 コロナ禍で遠征闘争ができないことを見越した韓国サンケンの「廃業」は、説明会も開かれず、会社のホームページで「廃業決定」を通告しただけで、OECD加盟国の多国籍企業に課せられた「労働者代表や行政への合理的説明・通知」という遵守義務に違反している。自由貿易地域に進出してさんざん儲けてきたサンケン電気。廃業の一方で、LG財閥と提携した新たな事業展開の邪魔な労働組合をつぶすのが廃業の目的だった。

 韓国サンケン労組(民主労総金属労組慶南支部韓国サンケン支会)の仲間は当日、工場の門前で「闇は光に勝てない。私たちは決してあきらめない」を掲げた。門前テントではオ・ヘジン支会長とキム・ウニョン副支会長が剃髪し、組合員らは横断幕に手形を押して勝利を誓った。韓国からキム・ウニョン副支会長の発言を中継している最中に、会社は「勤労関係消滅通知」をメールで送りつけ、電気・水道の遮断し、工場建物の封鎖措置に入った。キム副支会長は「韓国サンケンの労働者としてたたかってきたが、これからは被解雇者としてたたかう」と訴えた。

(森川数馬)

私たちは使い捨てにされる機械の部品ではない

キム・ウニョンさん

韓国サンケン労組副支会長

 東京、埼玉、大阪、全国でたたかってくださるみなさん、ありがとう。

 コロナ禍で日本に遠征闘争ができないことに胸が張り裂けましたが、日本のみなさんの闘いに感激し、勇気をもらいました。韓国サンケンは馬山自由貿易地域にサンケン電気が子会社として設立した会社です。48年間の利潤をすべて日本に持っていった。それがサンケン電気です。

▽時代遅れの悪徳企業

 法律で守られている労組を弾圧する時代遅れの悪徳企業です。これまでに労組があるという理由だけで会社廃業を2回も試みています。事業部の閉鎖を3回、2回の整理解雇、7回のリストラをしてきたのです。4年前に指名解雇され、『勝てないたたかい』と言われた時も、解雇を撤回させ、合意書を交わし工場を守り抜いてきました。

 合意書には「工場の正常化・重要問題についての労使協議」が書かれていました。しかし会社はことごとくその約束を破ってきました。サンケン電気は財政が苦しいと言って、修理するお金も出さなかった。雨漏りがし、カビが生えた工場で黙々と働いてきました。会社の約束を信じてきたのに、コロナ禍で解散・解雇を強行してきた。廃業については一度の説明もなく、本社のホームページに掲載しただけです。そんな廃業の仕方がありますか。まわりでは「もうダメだ」という声もありました。会社側は退職慰労金60カ月を提示しましたが、これを全員で拒否し、立ち上がったのです。

▽ビニールテントで籠城

 6カ月間、ビニールテントで籠城しました。国会議員連名の共同書簡、道知事、市長、そして市議会も全会一致で廃業撤回を求めました。KBやMBCも特集番組を放送しました。これはサンケン電気が一企業の問題ではなく、日韓の政治問題化しつつあることを示しています。会社からいま解雇通知と電気水道停止のメールで届きました。私たちは動揺しません。私たちは踏みにじってもいい虫けらではない。使い捨てにする機械の部品ではない。サンケン電気の社員と同じ人間です。人間としての尊厳がある。家族を守る義務があり、労働者としての誇りがある。労組があることが会社廃業の理由にはならない。コロナが労働者を踏みにじってもいい理由にはならない。

 どんな困難もみなさんとつちかった連帯の力で突破します。みなさんを信じて、自分自身を信じてたたかいを進めます。みなさんが大好きです。トゥジェン(闘争)!