「建国記念の日」(紀元節)を考える京都集会2021年が、2月11日、京都市内で開かれた(写真左)。主催は2・11京都府民の集い実行委と京都「天皇制を問う」講座実行委。

 集会では、明治大学兼任講師の趙景達(チョキョンダル)さんが「朝鮮蔑視観の形成と天皇制」をテーマに講演した。

 趙さんは、古代から続く日本人の朝鮮蔑視観の変遷を歴史的にたどりながら、近代においては、日本が天皇制の下で悠久不動の国家であったとする「国体原理」と、日本は他のアジア国家の文明化を指導する立場にあるとする「近代文明原理」の2つによって、朝鮮の植民地化から関東大震災時の朝鮮人虐殺へと進んでいったことを明らかにした。戦前・戦中の日本人は、朝鮮人を差別しているがゆえに、その報復を恐れてさらに抑圧的に振舞っていたが、その心性は今日においても克服されていない。今日の「嫌韓」は、「優等生」日本が、「劣等生」韓国に経済的に追い抜かれつつあることへのコンプレックスのあらわれである。

 趙さんは、朝鮮蔑視観という差別に打ち勝つためには、「国家とは次元の異なる文化・文明性において自負を持つと同時に、他者のそれも尊重する視座を獲得しなければならない」と提起して講演を締めくくった。