さいなら原発びわこネットワークの総会が2月23日、自治労滋賀会館(滋賀県大津市)で開かれ、30人が参加した。

 総会では、「若狭の原発を考える会」の木原壮林さんが、「老朽原発うごかすな!実行委員会」の活動報告と行動提起をおこなった。

 記念講演は原発反対福井県民会議事務局長の宮下正一さん。「関西電力の原発マネーの不正還流」について話した。

 宮下さんによれば、「福井県内では、関電の原発マネーが不正還流しているといううわさがかなり以前からあった」という。

 2018年1月には金沢国税局が不正環流の舞台となった福井県高浜町の吉田開発に税務調査に入っていた。また関電の内部では18年7月に独自の調査委員会をつくっており、9月に調査報告書を出していた。

 しかしこれらは外部には完全に隠されていた。

19年6月に「関電よくし隊」と称する、関電の内部をよく知る関係者と思われる人物が「内部告発」する手紙を、計14カ所に送った。この『内部告発」を受けた共同通信者が取材を開始。その結果が19年9月27日、1億8千万円の「原発マネー不正還流事件」としてスクープされた。

 関電は役員ら20人が高浜町の元助役・森山栄治から「3億2千万円に相当する金品を受領していた」と公表し、謝罪した。関電は内部調査によって、金品受領の事実を前年の9月にはつかんでいたにもかかわらず、1年間、隠し通していたのである。もしも内部告発がおこなわれず、スクープがなかったら、隠ぺいし続けるつもりだったのだ。

 講演の最後に宮下さんは、「内部告発した『関電よくし隊』がどういう人物かは分からないが、接触して、話しを聞いてみたい」と話した。

 関電の原発マネー不正環流の経過は、知れば知るほど、関電に対する不信感は大きくなる。このような会社に原発を運転させわけにはいかない。

(多賀信一)