大阪地裁は、3月15日、2017年12月の連帯ユニオン関西地区生コン支部が実施した大阪ストライキの現場で、スト破りに対する説得行動に参加した関生支部副委員長、執行委員、組合員7人全員を威力業務妨害にあたるとして、懲役1年6月〜2年(猶予3〜4年)の有罪判決を出した。警察・検察による労働組合つぶしの大弾圧を容認したもので、断じて許されない。争点となった、実際に業務妨害があったのか、被害者の自由意志を制圧していたのかなど威力業務妨害が成立するための構成要件や、労働組合の刑事免責についての判断を回避し、「経営権を侵害した」ことをもって、労働争議を犯罪としたのである。

 地裁前の公園では100人を超える労組員や支援者らが弾劾集会を開き、怒りの声をあげた。不当判決を受けた組合員は「労働組合を否定するとんでもない判決だ。控訴して無罪を勝ち取る」「この国はこんなものか。これを変えていくのは労働組合のたたかいだ」と口々に決意を語った。

 3月30日には武委員長の大阪ストライキ、滋賀事件の最終弁論がある。4月15日には午後4時半から大阪地裁包囲のグルグルデモが行われる。相次ぐ不当判決への怒りを直接叩きつける行動だ。18日、午後1時半からPLP会館で宮里邦雄弁護士などによるシンポジウム。25日には関生支部、全港湾大阪の呼びかけで大阪市内で自動車デモが実施される。逆転無罪へ、たたかいは開始された。

再び労働3権を否定

憲法違反の不当判決

 判決は、「路上に停車させる」「車両の前に立ちはだかる」等して業務を遅延させ「相手の意思を制圧するにたる態様があった」として「威力業務妨害」を認定した。

 「妨害された」という車両は、会社側が広域協組と一体となって、「威力業務妨害」を演出するために、準備したものだった。それは当日の映像や弁護側の立証で完全に明らかにされていた。

 ところが判決では、この点についての判断が全くなされておらず、会社側の演出通りに「経営権侵害」を述べるというものだった。

▽事実に反する認定

 また労働組合法1条2項の刑事免責については、事実に反して、「輸送運賃の値上げは組合員の労働条件に影響しない」とし、(ストライキは)「労働組合の正当行為とするには限度を超えている」とした。労働協約を反故にした資本をこれほど擁護する判決は、かつてないものだ。

 そもそもストライキとは、スト破りをはたらく「相手の意思を制圧」することなくして、成立しない。判決はスト権を否定するもので、現場にいなかった執行部などを有罪とした昨年10月8日の判決に続く不当判決だ。

 当日は関西・東海から労働組合、市民らが大阪地裁に駆けつけた。8時過ぎから裁判所ビラ撒き、裁判所前座込み集会、傍聴に取り組んだ。21春闘と結合し、広範な労働者・市民の運動を巻き起こそう。(森川数馬)