東京、大阪、京都、兵庫に3度目の緊急事態宣言が出された。大阪の感染者数は、3月末から急増し、医療崩壊というべき状況に直面している▼感染者が増加し始めた頃、大阪維新の会の吉村知事と松井市長がうつつを抜かしていたのは、「広域行政一元化条例」を成立させることだった▼目的は、大阪府が大阪市の財源や権限を取り上げて、万博やカジノといったろくでもない大規模開発を進めること。住民投票で2度にわたって否決された「都構想」と全く同じだ。地方自治法では、権限の移譲は都道府県から市町村へ行われることを想定している。府が市の権限・財源を取り上げる条例は、市町村優先、地方分権の原則に反しており、違法かつ無効だ▼いつも「EXPO2025」(大阪万博)ジャケットを着ている吉村知事は、市民のことより万博で頭がいっぱいなのだろう。だから放射能汚染水を大阪湾に垂れ流すなどと言えるのだ。大阪でコロナに最も向き合っていないのはこの男である。