商業新聞「さぬきうどん」のコラムを読んで、長崎とは直接関係のない、よもやま話も書いてみたいと思いました。私はこのところ、美味しいうどんを食べたという記憶がありません。

 小学生の頃、近所のお店に家族の人数分のうどん玉を母親に買いにいかされ、古新聞に包んでもらって帰ったことを覚えています。一玉5円か10円で、家族の夕食としての重みがありました。

 高校生の頃には、両親がどこかから、年代物の手動式うどん生めん製造機を手に入れてきて、喜々として麺を打っていました。味覚が未成長の私でも、幾分色黒の手打ちうどんは出汁込みでおいしかった。

 寮生活の大学生時代、深夜に仲間と連れ立って、近所の自動販売機のうどん(プラスチック容器入り)を食べて空腹を満たしたものです。生麺の自動販売機は、今はもうどこにもないでしょうね。それから、一駅隣の屋台の刻みうどんもおいしかった。まさしく、懐かしい青春の1ページでした。

 そうそう、肝心の讃岐うどんですが、50代後半の頃、神戸から「たこフェリー」でうどん県こと香川へ。そのとき行った麺製造所併設の有名うどん店。田舎のお店でしたが、手打ち麺はさすがに実力派でした。

 それから、高知市へ出かけたときの、普通の大衆食堂のざるうどんがうまかった。黒い鉄鍋に浸かった醤油出汁のおでんとビールのセットで。思わず「ここのうどんはおいしいね!」と店員さんに。意外な場所での意外なごちそうでした。

 大阪のうどんチェーン人気店「丸亀製麺」は機械打ちですが、誰が生麺打ちをするかで出来上がりの味が変わるようです。おそらく気持ちの入れ込みようによって差が出るのだとにらんでいます。同じく大阪では、個人経営の手打ちうどん屋さんが多数あったようですが、スルーしてしまいました。中には名店もあるかと推察する次第。

 長崎県では乾麺の「五島うどん」が有名です。溶かした生卵にアツアツの麺を浸けて食べる「地獄炊き」など。私が好きなのは「MSD製麺」のざるうどんで、ツルツルっとしていてこれからの季節にはもってこいです。

 十分にコシのある旨いうどんへの思いはくすぶり続けています。独自の手作り手打ちうどんをと思っているのですが、まだ実現していません。小麦からこねてのばして包丁で…。下手なうどんより手作りの方が断然うまいのだと思い込んでいます。以上、下手なよもやま話を一席お届けしました。失礼。(つづく)