空港・航空業界は、コロナ禍でもっともダメージを受けている産業の一つ。

 国際線便が全便の8割を占める成田空港は、いま途方もない状態になっています。空港ロビーに人影はなく、テナント店も半数以上が閉まっています。それが1年以上続き、先行きもまったく見えません。NAA(成田空港会社)は、『再び飛び立つ準備を』という動画まで作り、「苦境を乗り切る」などと必死にアピールしています。

 空港建設から55年、周辺住民は空港に農地を奪われ騒音にさらされるなか、けんめいに農業と暮らしを続けてきました。この農民たちの「苦境を乗り切る」営為に、NAAはどう報いてきたのでしょう。一度でも耳を傾けたことがあるのですか。それどころか国とNAAはインバウンド、観光バブルそのままに、周辺自治体に交付金をばら撒き(昨年より1・6倍増、71億円)、第3滑走路建設など空港拡張、農業の破壊、用地買収工作を続けているのです。

 飛び立つ航空機も少なくなった周辺地域。とりわけ、B滑走路に隣接する市東孝雄さん、萩原富夫さんら(三里塚産直の会)は、毎日、露地栽培の有機・無農薬の農業に精を出しています。

 有機・無農薬野菜の

 お試し購入あります 

『4月下旬、5月の野菜だより』から。「とうもろこしは保温のカバーから、育った苗を畑に定植」「じゃが芋は、早春の気温が高く霜害がなく、順調に育っています」「葉物がクタッとしていたら、吸いやすくするよう根の部分を少しカットし、水に浸しておけばシャキッと。採りたて以外は、クタッとしている方が自然。栄養も保たれる(市販野菜は、水蒸気をかけ採りたてのように見せているのが多い)。むしろ栄養は逃げている」…という。

 5月第4週の配達分には、そら豆、玉レタス、立ちレタス、ルッコラ、ズッキーニ、キュウリ、キャベツなど。葉物から夏の果菜類に変わってきた。「早すぎる梅雨入り?に当惑」とも。「野菜を洗った泥水は庭に撒き、マンションの人はプランターに土の養分を還してほしい」と、地球環境と言えば大げさだが、萩原さん市東さんらの農業への想いが伝わる『野菜だより』だった。(淡)

 *三里塚「産直野菜」は毎週・隔週、「お試しセット」もあります。〔お問い合わせ・取り扱い〕TEL/0799−72−5242 E-mail/kanjitsu_mail@yahoo.co.jp (関実)