1900年代初めには世界中の石油利権の大半を手にしたロックフェラー財閥が、次に狙ったのが石油産業から派生した製薬業。特許制度を使って独占的利益を得る戦略だ。ファイザーこそ、石油・金融・製薬が三位一体となって育ててきた巨大多国籍企業だ。常にスイスのロシュと世界一、二位を争っている。

 石油、IT、金融を別にすれば、アメリカの製薬業は80年代から20年間最も利益率の高い産業だった。共和党も民主党も莫大な献金を受けている。

 ちなみに日本でも製薬大手といえば安定した優良企業のイメージだが、今やほとんど外資に呑まれ純粋に日本企業といえるのは武田薬品くらいだ。

 新薬の開発には長い期間と費用を要する。それを回収して余りある利益を生み出すのが特許だ。しかし期限が切れると中小が似た薬をゾロゾロつくり安価で販売する。昔はゾロ、今はジェネリックとよばれている。当然薬価水準、利益率は下がっていく。巨利を得るためには新薬開発。ドル箱が抗がん剤だ。

 先日はアルツハイマー型認知症の新薬が「画期的」と売り出されたが、途端に問題が指摘された。以前、世界保健機関(WHO)が発表した最低限必要な薬の数は400種。だが実際日本で出回っているのは約2万種。企業利益のためどれだけ多くの医薬品がつくられているのか。

 巨大多国籍企業といえども特許による独占的利益が薄くなってきた昨今、製薬業は遺伝子組み換えやゲノム編集などバイオテクノロジー導入に活路を見出してきた。その「成果」が超スピードの新型コロナワクチンの開発であり、世界的規模の人体実験というべき販売接種だ。この分野は大学由来のベンチャー企業が手がけてきたが、新型ワクチンの製造元はこうした小企業を吸収し、結びついてきた、世界の医薬品を支配する製薬大手だ。

 新聞報道によると、今年度の日本の新型コロナワクチンの市場規模は3000億円。世界では年末までに8兆円。ファイザー製の売り上げは世界一(2・9兆円)になると見込まれている。

 2年に1回の接種間隔が想定され、同時に変異株に対応する新々ワクチン開発などを考えると、将来にわたり濡れ手にあわのボロ儲けだ。「特許の一時放棄」が提案されているが、実際的な利益と天秤にかけたら取るに足らない。ちなみに日本政府はワクチンの契約金額を明らかにしていない。私たちの税金なのに。

 メーカーも各国政府との契約内容を公表していない。新型コロナを奇貨に動く巨額の利益、大国間の覇権争いと駆引き。正体をシッカリ見極めていきたい。(つづく)