2019年、アフガニスタンのジャラーラーバードで銃撃事件にまきこまれて亡くなった中村哲さん。その意志を引き継ぎ、世界平和をめざそうという集会が、7月11日、大阪市内で開かれた。講演したのは、藤田千代子さん。藤田さんは、看護師でペシャワール会所属。パキスタンやアフガニスタンで1990年から20年近く、医療支援などに取り組む中村哲医師の活動に参加。現地の治安悪化のために09年帰国し、それ以降は、ペシャワール会事務局でピース・ジャパン・メディカルサービス(PMS)支援室室長およびPMS総院長補佐として原地活動を支えている。

 講演ではスライドを使って、中村医師とペシャワール会の足跡を説明した。最初は中村医師が重機を操縦する姿。中村医師は、現地の文化、習慣、宗教を大事にし、自分から近づいていった。現地に根を下ろすつもりで98年に、ペシャワールでPMS病院を建てた。そして医療従事者を育成してきた。00年アフガニスタン全土で大干ばつが起こると、まず井戸を掘り、大河から水を引くための用水路を建設した。地元の人たちが自分で改修できるよう、蛇かごを使った石積み工法とり、土手に柳を植えた。工事に参加した地元の人びとは、その日当で家族を養った。またモスクとマドラサ(学院)、戦争孤児のための寄宿舎も建設。人の暮らしには精神的な支えが必要だとを分かっていた。偉大な人を亡くしたが、その意志はしっかり引き継がれている。合掌。

(池内慶子)