▽違法な時間外労働 厚労省が立ち入り調査の事業所の37%

(8月23日NHK)

 厚生労働省(労働基準局 監督課 過重労働特別対策室)が昨年度立ち入り調査・監督指導を行った結果を8月20日に公表した。その3日後、NHKが夕方のニュースで流した事実は衝撃的だ—まさにニッポン労働現場の深刻な現状と運動側の課題が突き出された。

 全国2万4000余りの事業所のうち、違法な時間外労働が確認されたのは、37%に上った。昨年度中に、労働者から申告があるなど、長時間労働が疑われる全国の事業所に立ち入り調査した結果で、氷山の一角だ。

▽1カ月200時間も

 36労使協定がない、上限を超えて残業など違法な時間外労働が確認は8904か所で、全体の37%に。過労死基準である1カ月の残業が80時間を超えるケースが確認されたのは2982カ所。率にして33・5%で、月100時間を超えるものが1878事業場(21・1%)、月150時間を超えるもの419事業場( 4・7%)、月200時間を超えるものが

93事業場(1・0%)。賃金不払残業があったものが1551事業場(6・5%)。

▽働き方改革法の結果

�@長時間労働の是正の名を冠して「働き方改革」関連法が施行され、去年4月から中小企業に一カ月100時間未満上限規制が始まったが小売業などは労使協定を結ばずに1カ月に235時間の時間外労働もあった。こうした事態に部局の反省はまったくない、「監督課—過重労働特別対策室」の看板ははずせと言いたい。「引き続き指導を徹底したい」にエビデンスはない虚言だ。弩!

�A関連法がうたっていた健康障害防止措置が未実施のもの4628事業場(19・2%)、改善を指導したもの9676事業場(40・2%)とある、惨憺たる状況である。

 昨年11月に実施した「過重労働解消キャンペーン」における重点監督事業場のうち71・9%に労働基準関係法令違反とあった。これらの調査は申告や労災請求、若者の「使い捨て」が疑われる事業場と判断したところだけある。ということは、現状はもっと深刻である。業種の違反率をみると、製造業74・4%、建設業70・9%、運輸交通業79・5%、商業70・4%、接客娯楽業77・4%と全業態に。安倍「働き方改革」の結果だ。

▽労働組合運動の省

 改革法の中で労働基準法が完全に死文化している現状を突きつけられた結果と受けとめたい。一方で多くの労働者たちが駆け込んでいるのが労働局などの相談窓口(大阪で年間2万5530件)で、一部がユニオンへ。ほかはあきらめている。

 厚労省では「これからの労働時間検討会」なるものが7月から始まっている。労働組合運動が対応できてない。早急に組合をこえた闘いの取組みをと訴えたい。こうした現場での攻防に再生のキーはある。

(8月25日、狐火)