17回目となるピースフェスタ明石が、絵本作家の田島征彦さんの原画展などを展示し開かれた(8月18〜22日、明石市内)。

 コロナ禍に対応、市民が集まる戦争体験談の集いと講演会を中止となり、ギャラリー展示のみとなった。期間中、大雨警報がでるほど天気の悪い日もあり参加者の出足は芳しくなかったが、田島さんの熱心なファンが多く、最終日はギャラリーもにぎやかだった。

 メインの展示は、昨年11月に刊行された田島さんの絵本原画『せきれい丸』。76年前の敗戦直後12月、明石と淡路・岩屋を結ぶ連絡船が定員の数倍もの乗客を乗せ岩屋を出航後、すぐに転覆沈没。死者行方不明が300人を超えた。生存者わずか50人足らずという悲惨な事故を題材に、1人の少年が悲しみを乗りこえ命の大切さを感じて生き抜く絵本である。原画23枚すべてを展示する初めての地元開催で、事故を知る人も訪れていた。

 沖縄の基地問題では、田島さんの絵本『てっぽうをもったキジムナー』の大きな原画6枚、沖縄戦を表現した型絵染め技法による『鉄の暴風』(1m×2m)の2枚も展示された。

 ギャラリーの半分には、絵画教室の子どもたちが描いた平和をテーマにした絵の展示が目を引き、戦時下の生活品の展示や、手作りパネルでは昨年、明石市にできた明石空襲・平和資料室、市広報の平和特集なども紹介。市内の高校新聞部のパネル、沖縄の新基地埋立ての問題や、帰れないフクシマ(原発)の現状を知らせ、「原爆と人間」「1月に発効した核兵器禁止条約」の紹介パネルも並んだ。

 会場内に置いた大型テレビで、「沖縄、福島」のビデオほか、田島さんの淡路島での制作風景と、絵本に込めた思いを語る『たじまゆきひこの世界』の上映があった。講演がコロナ対策で中止となったこともあり、ビデオにより田島さんの表現を知ることができた。参加者からは「講演中止は残念」という声が多く寄せられ、実行委員会は、「コロナが収まったら中止になった企画を、ぜひ実現したい」としている。(江戸信夫)