オール沖縄を構成していた「かねひで」会長が、衆議院選で保守を応援すると新聞発表がありました。背景には、防衛省関連工事が受注できず他省庁の工事でも大手ゼネコンと共同企業体が組めないなど、政府による「兵糧攻め」があったそうです。ホテル業界の「かりゆし」グループも抜け、片肺傾向になっています。

 県議会議長がオール沖縄から脱退、議会構成では同数近くに。元維新や経営者たちが、保守合同を標榜し動き出しています。辺野古を強力に推進していた菅総理が退任、新総裁・総理も辺野古推進の立場です。

 オール沖縄のとりくみは、緊急事態宣言中ゆえに休止が続き個人、有志、島ぐるみの一部が辺野古、安和、塩川、海上で細々とやっています。なかなか意気が上がらないこの頃。衆院選に勝つことで取り戻せます。

▽逃げ出した日本大使

 話は変わり、アフガニスタンのニュースを見て。タリバンは中村哲さんのペシャワールでの事業の継続を望み、中村さんを殺害した犯人の捜索を続けると言いました。思い起こさなければならないのは、中村さんがアフガンに軍隊、自衛隊を送るのは「百害あって一利なし」と国会で発言しました。しかし日本政府は、タリバンと戦う米軍に給油作戦を行いました。

 カブール陥落に際し、日本大使館は日本政府協力者500人を置き去りに、隣国に逃げ出しました。他国の大使館員はカブール空港に大使館業務を移し、撤退する最後の飛行機に乗りました。「優秀な」大学を卒業した日本の大使たちは、この程度なのか。杉原千畝の精神の一かけらもない。

▽政府も官僚も情けない

 県令島田叡が称えられるのは、沖縄戦を目の前に、自分が行かなければ他の人が沖縄に行かざるを得なくなる、だから自分が引き受けると言った官僚としての覚悟にあり、心の貧困な官僚たちばかりの中で珍しかったからでしょう。今も日本の官僚は、国のトップに忖度し出世を望み身分を守ろうとする。国のトップも米国に忖度する。辺野古基地建設はに彼らのような者がやっているのです。

 中村哲さんは「アフガンの干ばつ、自然災害を目の前に戦争なんかしていられないはずだ」と言っていた。現在のアフガンは、干ばつに襲われている。気候変動で地球は取り返しがつかない事態が進行しています。自・公の政治家、官僚たちに聞きたい。海を埋め、あと10年はかかる辺野古新基地建設を、こんな中でも進めるのですか?

(冨樫 守)