
関西地区生コン支部にたいする大弾圧をめぐる討論会が9月3日、大阪市内で開かれた。主催は労働組合つぶしの大弾圧を許さない実行委員会・大阪と参加諸団体や労組など。京滋実行委員会や兵庫の会とその元に集う労働組合、たたかう市民が参加した。テーマは〈関生弾圧のねらいは何か〉〈裁判で明らかになったこと〉、〈弾圧と裁判への疑問や今後の闘いの展望〉、〈労働組合としての存在意義〉などで企画された。反弾圧弁護団を中軸となる若手弁護士を加えて、現場報告と熱い討論が交わされた。
▽弾圧の一角が崩れた
最初に三輪輝義晃護士と久堀文弁護士(大阪労働者弁護団所属)が、昨年12月の京都加茂生コン事件判決、今年7月の大阪ストライキ事件判決(武建一委員長)の問題点について報告。大阪スト事件は、労働組合を「反社会的勢力」とみなし、正当な組合活動を「恐喝」に仕立て上げようとした象徴的事件だった。武委員長への実刑判決をねらった検察は懲役8年を求刑した。
7月判決では実刑判決は粉砕できた。警察庁の意向を受けた滋賀県警組織対策部が、証拠がまったくないにも関わらず「恐喝」をでっちあげようとしたことを裁判所も認めざるをえず、一連の裁判のなかではじめて「無罪」と言わせることができた。それは、「弾圧の一角を切り崩した」と評価できる。
京都判決では「共謀」は否定された。このように部分的に弾圧を押し返しているが依然としてきびしい攻防が続いている。
▽団交要求が犯罪
京都判決は、団交要求行為は「社会的相当性を欠く」と決めつけ、労働者は「法的手段」によって要求すべきというもの。この判決に、久掘弁護士は「なんということを言うのか。裁判所が労働組合はいらないと言ったのと同然だ」と怒りこめた。二人の報告は「産業別労働運動のへの理解や、労使交渉だったことの判断などがまったくされてない」「労働組合に対する無理解」と裁判所をきびしく批判する内容だった。
「団体交渉」で心理的圧力を与えるとことが「強要罪」なるとしたら、労働組合活動はありえない。この問題をめぐって熱心な討論が続いた。
▽労働組合が見える
さらに、A憲法・法律問題から弾圧を考える、B警察・検察による民事介入問題、C産業別労組運動の基本の3つの領域で討論が行われた。関西合同労組は就業規則への「懲戒解雇」「反社規定」導入問題を報告。このかんの弾圧や裁判の状況をかえるために何をすべきかをめぐって、労働組合の権利と存在を世論に訴えることや見えるたたかいを作り状況を突破しようと議論は続いた。
12月12日には反弾圧全国アクション行動が予定されている。この大弾圧との真っ向勝負の闘争である。9・3討論会は秋のたたかいに新しい息吹を吹き込む取り組みとなった。(森川数馬)