10月中旬、その日は安和に行き抗議、阻止行動をする予定でした。通常なら、朝6時40分台に、「安和、塩川あります」旨のメールが入りますが、6時51分に「今日は安和、塩川とも工事ありません」の連絡がきました。
これで私は、3週間安和に行っていないことになりました。土砂搬入ダンプが止まっているのです。辺野古ゲート前も工事用ダンプが少ないし、この頃はまったく入らない日があり、海上も運搬船が止まり、カヌー対策のフロートが引き上げられているということです。
なぜなのか。台風説、総選挙前説がありますが、あるカヌーメンバーからは美謝川付け替え工事集中説も出ています。
美謝川は、私たちが座り込む工事用ゲートから、そのまま県道に沿って東へ坂道を下ると、右の山手には小さなダムがあります。ここは名護市の水源の一つなのですが、排水が新基地建設の真ん中を通るようになっています。埋め立てにより排水の出口を防いでしまうため、付け替え工事が必要になっていました。前市長の稲嶺さんは、付け替え工事の申請が出ても許可しない立場でしたが、今の市長は名護市との協議の必要はないと回答し、事実上の許可を与えました。
しかし、県との間ではまだ協議が終わったわけではないのです。そこを無視して防衛局は10月1日に工事着工を強行しました。
ただし、その後の美謝川付け替え工事は進んでいるのかどうか、わからないところがあります。聞いたところ、どうも集中して工事を進めている様子はありません。そうなると、辺野古埋め立てをめぐる工事の滞りの原因は美謝川ではなくなり、いよいよ不明としか言えません。
原因は分からないにしても、苦しい日々のなかでは、もちろんほっとする時間ではあります。
たたかっているうちに、雲間から光が差すこともあります。
10月7日、名古屋高裁判決もそのうちの一つです。東村高江周辺の米軍ヘリパッド建設に対する抗議をねじ伏せるため、全国から機動隊員を派遣したことが違法と判断されました。
また、いまの遺骨交じりの土砂を辺野古の海に埋め立てに使おうとすることに対し、全国の116市町村議会(10月12日現在)が、反対の意見書を採択しています。衆議院選で辺野古埋め立てに反対の立場の野党が躍進すると、さらに雲間が広がるでしょう。
また、呪文のようになりますが、「勝つ方法は、あきらめないこと」ですね。(冨樫 守)