最低賃金 きょうから過去最大の引き上げ 時給平均930円に(2021年10月1日 NHK昼のニュース)

 都道府県別の最低賃金が10月1日から引き上げられる。今年度の引き上げ額は全国平均で28円と過去最大となり、時給の平均は930円。引き上げ後の時給を都道府県別でみると、東京で1041円、神奈川が1040円、大阪が992円。最も低いのは高知と沖縄で820円。1500円にはまったく届いていない。そして地域格差は221円と昨年と変わらない。これでは、非正規雇用労働者の置かれたきびしい現状を打開することはできない。

 最低賃金問題が昼のニュースで流れるのは珍しい。ここ10年間にわたって、労働組合や諸団体による〈今すぐどこでも1000円〉〈最低賃金1500円を〉というキャンペーンが各地で行われてきた。こうした地道な取組みの反映といえる。

 この事実に何のコメントもしなかったNHKとマスコミ各社に弩!! 

 当初、最賃については「凍結」も言われていた。しかし今年4月、厚労省が発表したコロナ禍による失業者数は累計で10万人を超えた。失業と貧困が非正規雇用を中心に労働者家族を襲っている。その深刻さに震撼した政府。野党各党、財界などによって、中央最低賃金審議会をしてこの流れとなったのだろう。

 最賃15ドル(約1700円)の大統領令をかちとり、富裕税導入へバイデン政権を動かしている米国労働運動や諸外国の運動と比較すると、日本の現状は省!省!「最大の引き上げ」と礼賛する見出には、弩!

 大阪の最賃992円。フルタイムでも総額で15万8720円。これで家族抱えて生きられるのか。「新しい資本主義主義」というなら最賃全国一律1500円から始めよ。大企業の内部留保と金融所得への課税、中小零細企業への支援は当然の施策。(10月31日 狐火)