新しく「キシダイロ」という色鉛筆ができたというので、早速ぬり絵をしてみようとお絵かきノートを開いてみた。いろんなキャラクターがいっぱいだ▼えーっと、「コロナくん」「モリカケサクラくん」「アトムくん」「ジェンダーくん」「ケンポウくん」まだまだある▼さて、どんな色が出るのか楽しみに塗っていこうとするのだが、なんだかキャラクターの下からもうひとつ下絵が立ち上がってくる。どうも下絵の色が強くて、「キシダイロ」はいまひとつどんな色かわからない▼しかもよく見ると、下絵に浮かび上がってくるのは消えたはずの面々が放つ色合いで、亡霊のようにそこにいる。どうやら「キシダイロ」などは元々なくて、「ソンタクイロ」だったのだ。そんなつまらん色鉛筆はお断りしよう。自分の色を見つけたら自分の色で、はっきり堂々と書きたいものだ▼詩人茨木のり子は、その詩の中で書いている。「自分の色(感受性)ぐらい/自分でまもれ/ばかものよ」(侑)