関西電力は10月23日、運転開始から40年を超えた美浜原発3号機(福井県美浜町、出力82・6万キロワット)の運転を停止した。設置を義務付けられている「特定重大事故等対処施設」(以下、特重施設)の工事が期限に間に合わないためだ。

 特重施設とは、大型航空機を故意に衝突させるなどのテロ行為で原子炉建屋が破壊され、使えなくなる場合に備えたバックアップ施設のことである。マスコミは「テロ対策施設」と呼び変えている。ここで原子炉建屋が破壊されたとき、中央制御室に代わって原子炉をコントロールする。問題は、そうしたリスクを抱えて原発を稼働する必要があるのかだ。

 10月25日には、「美浜3号機もう動かすな!現地行動」取り組まれた。平日の雨天にもかかわらず大阪、京都、滋賀、福井などからの63人が集まった。美浜3号機は40年超えの老朽原発として初めて再稼働をしたが、わずか3カ月間の営業運転で停止を余儀なくされた。25日は特重施設の設置期限の日。この日にあわせた現地行動である。

 参加者はシーパーク丹生に集合して、美浜原発前までデモ行進。その後、美浜町役場隣の「はあとぴあ」駐車場に移動。「はあとぴあ」から関電原子力事業本部前までデモ行進した。原子力事業本部では、抗議集会と申し入れをおこなった。原発を再稼働させてはならないとの決意を込めた行動となった。