11月13日、さいなら原発・びわこネットワーク主催で、「老朽原発このまま廃炉!キャンペーン11・13滋賀集会」が、滋賀県教育会館でおこなわれた。50人が参加。

 集会では、井戸弁護士が、6月21日に大阪地裁に申し立てた老朽原発美浜3号機の差し止めを求める仮処分裁判の状況を詳しく説明した。

 美浜3号機は老朽原発としては最初に再稼働したが、「特定重大事故等対処施設」が間に合わず、3カ月で停止して現在も停止中で、次の再稼働予定は22年10月である。老朽原発をめぐる裁判は他に、名古屋地裁と大津地裁で争われているが、これらは本訴なので時間がかかる。早期に止めるには仮処分裁判をやる必要があり、次の再稼働迄に止めるには、争点を絞り早期の決定を目指す必要がある。そのため、名古屋地裁で中心的にやっている老朽化問題は時間がかかるので直接の争点からはずし、裁判官にとって原発問題はハードルが高いが、ハードルが低くなるように美浜原発固有の問題を中心にすえた。

 井戸弁護士は争点にした6点について詳しく説明したが、中でも美浜原発が活断層の巣の中にあり、敷地内にも多数の破砕帯があることや新規制基準策定後の新知見についての指摘にたいして、被告・関電の反論は、「美浜原発においては震源極近傍の特別考慮をする必要がない」という点。これではどんな裁判官でも新規制基準を無視するとんでもない議論であることがわかるだろう。いくらなんでもこの議論に負けることはないと、井戸弁護士は言う。関電の言い分だと「250メートルの距離に活断層がないから問題ない」ということだが、新規制基準では数キロメートルの範囲でも波動論的な計算手法が破綻する領域になっている。評価手法すら確立されていないような断層域直近に施設を作られても、不完全な手法で安全性を審査すること自体が問題と言っていることとの関係では、話にならない。

 井戸弁護士は、原発を臨終させるには老朽原発を稼働させないこと、そのためには美浜原発3号機の攻防に勝つことが当面の勝負であるとした。

 そのあと、木原壮林さんが、11月23日から27日の、高浜から美浜までのリレーデモと、12月5日の大阪での、老朽原発このまま廃炉!大集会の方針を提起された。集会後、関電滋賀支店までのデモ行進をおこなった。