「原発・核燃からの撤退を!2021秋の関西集会 原発災害からどうやって身を守るかを提案」の集会が、11月27日エルおおさか南ホールで開催された。(主催:脱原発政策実現全国ネットワーク関西・福井ブロック)

 集会は、第一部「原発・核燃の過酷事故」では、原発災害のすさまじさ、第二部「原子力災害を考える」では、政府・自治体の原子力防災体制批判と原発災害時に命を守る方法、第三部では、「ヨウ素剤の配布と避難計画」についての報告と討論という構成。総じて実際に原子力災害が起きたときにどうするのかを考えさせられる集会だった。

▼焼夷弾にバケツリレー

 環境経済研究所代表で法政大学講師の上岡直見さんは講演で、政府自治体の原子力防災計画を戦争中の「焼夷弾にバケツリレー」に例えた。

 戦時中の日本政府は、「米軍の焼夷弾が落ちて来たらバケツリレーで消せ」と指示していた。焼夷弾の成分は油だ。水をかければ油は飛散して、被害が拡大する。そのうえ戸主は、「防空法」によって家を守るために逃げてはいけないとされていた。そのために命を落とした人たちも多かった。

 いまの政府の避難計画もこれと同じで、住民をできるだけ逃がさない屋内退避に方針転換した。

 計画では、放射能プルームの通過時は窓を閉め、通過後は換気によって放射性物質の濃度を下げるという。しかし、「いつ換気をすればいいのか」といった肝心の議論はない。屋内退避が長時間になると最終的な被ばく量は露天と同じになる。“科学的根拠のない避難計画はまさに「焼夷弾にバケツリレー」というべきだ。

▼率先して逃げること

 市民環境研究所理事の守田敏也さんは「日本は災害に弱くなっている」と指摘。2010年以前の決壊河川数は年平均3回だったが、18年までには9回に増え、18年は25回に急増した。

 日本列島は「ひずみ集中帯」上にあり、大地震が頻発している。多くの原発がその上にある。

 原発災害時には、まず自分が率先して逃げること。そうしてまわりが災害時に陥りやすい正常性バイアスや同調バイアスを解除しよう。事前に家族・友人・恋人などと落ち合う場所や逃げる場所を決めておこう。友人と防災協定を結んでおこう、と提案した。

 また自治体にヨウ素剤の事前配布を促し、個人で備蓄しておくこと。災害発生時にはヨウ素剤を飲んで、さっさと避難しようと話した。

(池内潤子)