京都府京丹後市宇川地区の米軍基地の撤去を求める集会が、11月28日、京都府部落解放センター(京都市北区)で開かれ、70人が参加した。主催は、米軍X バンドレーダー基地反対・京都連絡会。今年の日米合同軍事演習「オリエントシールド21」(6月下旬〜7月上旬)では、宇川地区の米軍と福知山の陸自、国外参加の米陸軍旅団などが合同で、生物・化学兵器に対応した訓練を行っており、年々グレードアップしている。

 集会では、米軍基地反対運動を設置計画当初から続けている京丹後市議の永井友昭さんが今年1年の米軍基地をめぐる状況を動画や写真を使いながら報告。今春、米軍基地の二期工事が終了し、新たな隊舎や厚生施設が完成したが、いまだに新隊舎に部隊が配備されていない。その新隊舎では早くもひび割れが発生しており、何度も補修を行っている。また、基地の発電機は低周波騒音による周辺住民の健康被害が懸念されるため、平日の昼間以外は稼働しないことになっていたが、商用電力の受電施設の故障を理由に、この11月に13日間連続で稼働させた。自分たちの勝手な都合で、地元との約束を平気で破るのが米軍のやり方だ。

 「オリエントシールド21」では、宇川地区の米軍・自衛隊基地では「共同基地警護訓練」を実施し、「銃撃戦で撃たれて負傷したの民間人を救助する」という訓練が行われていた。実際にこの様子を目撃した永井さん、「何のための訓練なのか」の説明を求めていくと話した。

 京都連絡会の池田高巌さんは基調報告で、「米軍の交通事故や海水汚染など未解決の問題が山積している。米軍再編交付金の終了にともない、市や地元有力者が基地の存続と引き換えに金を引き出そうという動きがある。これは基地への依存と固定化するもので、住民によって取り組まれているまちづくり、村おこしの努力と相いれない。地元のみなさんとともに基地との共存を拒否する平和で豊かな京丹後をめざしていこう」と訴えた。

(今津悠二)