
昨年12月13日、関西地区生コン支部の加茂生コン事件の判決が大阪高裁あった。判決は「原判決破棄、執行委員に罰金30万円、組合員は無罪」という画期的なものだった。
判決を待ち続けた支援の間に喜びが広がった。弁護団は「裁判所がそっくりわれわれの言い分を認め、組合活動として何ら間違っていなかったことを判決は証明した」と報告した。
当該の執行委員は「組合として当然なことを裁判官が認めた意義は非常に大きい」と話した。組合員は一審の有罪判決を理由とした解雇の撤回に向けた決意を語った。
▽就労証明拒否は不当
この事件は、子どもを保育所に預けるため、就労証明書を会社に求めたことを理由に逮捕起訴されたという事件。関西生コン支部に加盟した途端に、会社は毎年出していた就労証明書を拒否したため、執行委員と組合員は、何度も会社に要求したが、「近く廃業する」「会社には就労証明書を出す義務はない」などとして、拒否していた。
高裁判決では、組合加入直後に就労証明書を出さないのは不当な不利益取り扱いであるとした。
また交渉中、会社側担当者はいきなり体調を崩し、救急車を呼ぶ事態となったことにたいして、組合側は仮病を疑い、激しい言葉を会社側を非難したことが争点となっていたが、高裁判決は、担当者の対応の方に原因があるのであって、組合が仮病を疑ったとしても無理はないとした。組合の監視活動についても、会社が本当に廃業するのかどうかを確認するのは組合活動として当然とした。
ただし、組合員が声を荒げて発した激しい言葉は、相手方を畏怖させるものであったとし、その場に居合わせた執行委員がそれを制止しなかったという理由で共同正犯とされた。(池内潤子)
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