安和では年末、年始の火曜日は工事がなく、1月11日3週間ぶりに安和琉球セメント入口に立ちました。先着の女性が「寒いね、ムーチビイサだね」と挨拶をしてくれました。前日10日が旧暦12月8日に当たり、ムーチー日でした。この日は毎年寒波が襲い冷えるのです。「ムーチー(餅)ビイサ(寒い)」と言います。
ムーチーを作って寒波を乗り越える。邪気を払うなどいろんな意味を込めます。搗き(つき)餅ではなく、もち米を挽いて蒸し、サンニンの葉で巻いた餅です。サンニンの葉とは、月桃の葉です。月桃と言えばゲート前でもよく歌う、海勢頭豊さんの歌がありました。
♪摩文仁(まぶに)の丘の 祈りの歌に 夏の真昼は 青い空 誓いの言葉 今も新たな ふるさとの夏〜
あの時、負けないとか、屈しないとか「誓いの言葉」を発しましたから、月桃の歌は弱気になる心にむち打ちます。
2015年のムーチーの日は、ゲート前でもムーチーを作り、餅の残り汁をウニノヒサ(鬼の膝)を焼くという意味を込め、ゲート入口に撒きました。辺野古のたたかいに勢いがありました。翁長知事が誕生した頃ですからね。
現在、米軍基地からオミクロン株がひろがり、オール沖縄も活動自粛を余儀なくされています。あの頃の元気があれば、今回もムーチーの残り汁を邪気(オミクロン株)が出てくる基地入口に撒けたものをと、物思いにふけってしまいます。
安和、塩川はコロナ禍が出てきた頃からは細々と続けていましたから、「細々」のため自粛要請の声は届きませんでした。読谷グループ、と言っても今回は私一人ですが火曜日の午後担当です。今日はうるま組の他、毎回参加の人を合わせて5人、久しぶりの大人数です。
ダンプによる土砂搬入は止められませんが、一秒でも搬入を遅くさせるという気持ちです。全国の辺野古に思いを寄せる仲間と繋がりたい思いです。なにしろ、正月元旦も辺野古反対でチラシ撒きの行動をしているグループが本土にはいるのですから。
寒さは続きます。この寒にあたってこそ沖縄の寒緋桜が咲きます。トゥンジーヒイサ(冬至寒)を、ムーチヒイサ(餅寒)を、そして正月ヒイサを乗り越えて咲くのです。
また一つ 寒さを越えて桜かな(富樫守)