
ゴーッ、ドドドーッという地を裂くような激しい音と揺れ。燃える街、瓦礫の道。あの阪神淡路大震災から27年をむかえた1月17日。3万人を超える人たちが慰霊の場を訪れた。神戸市役所前では今年も「追悼、連帯、抗議の集い」が開かれた。
阪神淡路で犠牲になった6434人と、11年をむかえる東日本大震災の犠牲者への追悼。被災者の暮らしを元に戻すよりも「高層ビルの街づくり」という復興策とその後も借り上げ住宅からの追い出しなへの抗議。住まいをなくした多くの人たちが学校の廊下や公園のテントに暮らしているとき、「個人資産の保障はできない」と突き放した政府の言葉は忘れることができない。
そして人々が、力を合わせ生きてきた連帯の証。住まいを喪失した被災者へ利子付貸付けという援護法に何度も国会にかけつけ、給付法も実現した。
市役所前では、それぞれの人たちが追悼、怒り、連帯の言葉を述べた。鎮魂と励ましの歌声も響いた。集いは今年でいったん終わりとなる。そのアピールに「避難所、仮設住宅を解消することを最優先にした施策でした。住まいは暮らしと生きるための基本、まさに人権です。失われた尊い命のためにも、人災に苦しめられた人々のためにも、私たちは訴え続けます」と結ばれていた。(た)