▽「もう避難者を出させない」

福島敦子さん(京都避難者)

 伊方原発運転差止広島裁判の第26回口頭弁論が行なわれた(1月19日、広島地裁/大森直哉裁判長)。コロナ禍のもと原告団・応援団は、リモート参加を中心に臨んだ。

 この日は、福島第1原発事故避難者、原告の福島敦子さん(京都府在住)が意見陳述。福島さんは過酷な避難の状況をくわしく話し「私たちのような体験を、もう万が一にも出してはいけない。内部被曝は広島、長崎と同じ。世代に継がれる苦しみだ」と訴えた。

 原告弁護団は「沿岸活断層」「火山についての主張」「水蒸気爆発」「シビアアクシデント対策」「避難計画」を準備書面として提出した。

▽高裁に即時抗告

 その後、広島弁護士会館大会議室でリモート参加者多数も含め記者会見・報告会が開かれた。弁護団から提出した準備書面の説明が行なわれた。福島敦子さんは意見陳述を読み上げ、「被爆地ヒロシマが被曝を拒否するという伊方原発広島裁判のスローガンに共感する」と、原告団の一員としての決意を述べた。

 1月7日には、昨年11月4日の伊方新規仮処分申し立て却下という不当な決定に、抗告人らから即時抗告の広告理由書が広島高裁に提出された。弁護団による抗告理由書の説明と伊方広島裁判事務局から「広島高裁・吉岡決定に関する声明」が発表された。伊方原発広島裁判本訴、次の口頭弁論期日は3月14日。3月16日は、福島第1原発事故から広島への避難者らによる、福島原発ひろしま訴訟も広島地裁で予定される。反原発の運動を広範にまき起こしたい。(江田 宏)