過去からの蒸気機関車が
  空へ白い煙を 吐きに吐く
  夢を見ていたのだろうか
  (生きていれば夢でも会えるだろう)
  ラジオから流れてきた
  演歌の歌声に ふいに嗚咽した
  自らの泣き声を聴いた
  何十年ぶりか
  様々なことが重なっていた
  厳冬の部屋にひとり
  「最後の女」という言葉に
  不意を突かれ 泣けた
  涙は凍らなかった
   ( )内は「みちのくひとり旅」
             山本譲二の歌より