サイバー警察局。政府が1月28日、国会に上程した警察法改悪案で新設される組織だ。このサイバー警察局新設に、学者・弁護士、市民団体などから反対声明が上がっている。理由は、憲法で保障された「通信の秘密」を大幅に侵害する恐れがあるからだ。電子メールやSNSなど、市民の日常的なコミュニケーションが犯罪視される可能性があるのだ。
 それだけでない。警察庁の内局として新設されるサイバー警察局は、戦後解体された国家警察の復活につながる恐れがある。警察庁はこれまで、自らが犯罪捜査を行うことを認められていなかった。これは、特高警察の幾多の人権侵害に象徴される戦前型の中央集権的な国家警察が否定され、戦後改革によって地方警察が警察活動を行うことになったことによる。ところが、サイバー警察局新設によって警察庁は初めて捜査権を持つことになる。それは警察官僚の悲願であった国家警察復活の突破口となる。すでに警察は、被疑者写真1170万件、指紋1135万件、DNA型141万件など膨大な個人情報を収集している。民間通信事業者への問い合せも頻繁に行なっているが、その実態は不明だ。
 サイバー警察局新設への反対声明では、市民間のコミュニケーションの常時監視・分析・取り締りを可能にする「言論警察、思想警察あるいはサイバー特高警察」の登場に警鐘を鳴らしている。政府は4月1日開設をめざしており、まともな審議もないままに法案可決される可能性が高い。(香月泰)
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