名古屋入管収容場で亡くなったスリランカ人ウィシュマ・サンダマリさんの1周忌の3月6日、「入管の民族差別・人権侵害と闘う全国市民連合」のよびかけで、札幌から四国高松までの全国10カ所で一斉追悼アクションが行われました。ウィシュマさんの遺骨が収められた明通寺(愛知県愛西市)で、妹のポールニマさんら遺族と支援の人びとによる法要が行われました。
 大阪・扇町公園には100人余が集まりました。入管の収容者との面会や仮放免の支援を続ける人たち(世代もさまざま女性も男性も)は、その活動を通じて「入管は外国人収容者を人間と思っていない」とさまざまな実例が報告されました。仮放免中の男性からは「青い空の下を歩いていても、いつ収容されるか不安の日々だが、ここにいる自由のためにたたかっているみなさんとともにたたかう」。ウィシュマさんの妹さんからの「姉のための正義はまだ行われていない。人の命を奪わないよう入管体制を変えるべきだ」というメッセージが読み上げられ、国賠訴訟弁護団の弁護士さんは「彼女の死はただの医療体制の問題ではなく、不当な収容制度によって必然的に起きたもの。入管行政そのものを変えていくためにも裁判の勝利を」と訴えました。3時25分、1分間の黙祷が捧げられデモ行進に出発しました。
 ウィシュマさんの死で激しい批判が浴びせられたにもかかわらず、入管当局側の「人権無視」の姿勢はなにひとつ変わっていないと感じます。東京入管で暴行を受け、重い障害が残った日系ブラジル人男性が、入管当局を訴えた裁判の公判が昨年12月にありました。原告側の求めで開示された現場の映像には、職員のすさまじい怒号と暴行が写っていました。そして、その後、証人席に出て来た当該の職員は、「自分のしたことは訓練通りのいつものやり方であり、上司の命令に従ったまでだ」と平然と語ったそうです(3月9日、10日の毎日新聞)
 3月4日、遺族は「ウィシュマさんに適切な医療を提供せずに死に至らしめた」として国に約1億5600万円の賠償を求めて提訴しました。
「ウィシュマさんの死」を忘れず、入管体制を変えるまで力を合わせていきましょう。 (水島)