
沖縄はコロナ禍が収まらず、毎月最初の土曜日(5月は7日)のゲート前県民大集会は、またもや地域での「ブルーアクション」になりました。読谷村では8人が「辺野古反対、ウクライナに平和を!」などのボードを掲げてスタンディングしました。
連休明け、安和・塩川は土砂積み込みダンプが動き始めました。10日、安和に機動隊がいません。復帰50年記念の5・15に岸田総理が来るから、その準備に追われていたとか。機動隊が来ないといってもダンプを止めることはできず、作業を遅らせるだけ。
連休中、憲法前文を読みました。「平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して、われらの安全と生存を保持しようと決意した」とあります。ロシアも「平和を愛する国民」でしょうか? カッコ付きながら「平和を愛する」諸国民に入ると思います。ロシア語を話す同胞が圧迫、迫害されているからという理解です。「圧迫と偏狭」から同胞を解き放ちたいという思いは、カッコ付「平和を愛する」からでしょう。そのカッコは、外さなければなりません。ロシア国民の74%(4月現在)が、政府の発表を信じています。ロシア政府は情報を統制し愛国心を煽り、「批判の目」を育てていません。残念ながらロシア市民の力で侵略戦争を止めるのではなく、欧米の武器による敗退が止めることになりそうです。その間、多くの人権が踏みにじられ、戦争犠牲者を出し続けるのでしょう。
日本、欧米は「74%のロシア国民に、批判の目がない」ことを、他山の石としなければなりません。日本政府は、ロシア政府に「情報統制をするな、プロパガンダを止めよ」と言っているでしょうか。「批判の目」を育てる教育が大切と思っているでしょうか。天に唾することだから、それは言えないでしょう。自らに返ってきます。
私が知る、教育現場を振り返ります。沖縄戦で集団死(自死)がありました。軍が関与した事実を教科書に載せないようにされました。侵略軍の常である性暴力の事も避けさせられました。学校現場では、愛国心を植え付けるため「日の丸・君が代」を押しつけました。「批判の目」を育てるよう、各県教育委員会に通達したでしょうか。平和・反戦教育を妨げることはなかったでしょうか。
日本もしだいに「74%のロシア国民」と同じ状況になりつつあります。教科書検定を強め主任制や道徳教育を導入、校長権限を強化、首長による教育長任命などなどです。それでは「批判の目」を持つ人間が育たず、政府の暴走を止められなくなり、今のロシアのような悲劇を生じることになります。
教育恐るべし。日本は、ロシアの失敗から学ぶべきです。大日本帝国の侵略戦争から学んだはずですが、いま一度の学び直しが必要です。いの一番は「批判の目」を育て大切にすることです。ロシアがカッコ付きであっても、憲法前文に言う「諸国民の公正と信義に信頼し…」は有効です。そこから、「カッコ」も取れていくでしょう。(富樫 守)