5・15「本土復帰」50年を前に、「辺野古」県民投票の会元代表で一橋大学大学院生の元山仁士(じんし)郎(ろう)さんが国会前で、復帰50年—辺野古新基地建設の断念を求めるハンガーストライキを行なった。
ハンストは9日から始められ官邸前、自民党本部前、工事を請け負っている大成建設前や公明党本部前などに移動しながら続けられた。
14日、国会正門前の座り込みには、支援の人たちが数人。7年前、安保法制反対の熱気に包まれた付近は、ジョギングのランナーが通り過ぎて行くだけだった。国会議員による激励があるのかと期待したが、その時間帯には誰も見かけなかった。
翌15日、岸田文雄首相が出席した「沖縄復帰式典」の宜野湾市会場前に元山さんの姿があった。元山さんがハンスト決行の横断幕を掲げようとすると、機動隊車両が塞ぐ。歩道を移動する際も何重もの警察官が阻む。一人の青年が自分の意思を自国の総理大臣に伝えることさえ許さない。「基地が存続し事件事故が起こる。県民はそのたびに抗議し県民大会を開く。そんな沖縄をずっと続けていいのか」。元山さんの言葉が胸に刺さった。
元山さんが政府に求めたのは、次の3項だ。(1)辺野古新基地建設の即時断念、(2)普天間飛行場の数年以内の運用停止、(3)日米地位協定の運用にかかる全ての日米合意を公開し、沖縄を含む民主的な議論を経て見直すこと。   (投稿/笹木喜生)