神戸でウクライナ出身のカテリーナさんによる歌とバンドゥーラの演奏を聴いた。平和を願いウクライナの子守唄、日本語で『翼をください』が歌われた。澄んだ声と音色に聞き入った▼カテリーナさんはチェルノブイリ原発近くのプリピャーチ生まれ。生後1カ月で原発事故に遭遇し、強制退去した経験を持つ。故郷を離れ首都キエフで暮らした子どものころ、ひどい被曝者差別を受け悩んだ▼民族楽器バンドゥーラと出会い、ウクライナの民族音楽団を経て19歳から日本に。全国で演奏活動を続けている。バンドゥーラはギターを大きくしたような65弦の楽器。重さ8キロで大きい。ウクライナを代表する民族楽器だ。旧ソ連のスターリン時代は、民俗楽器演奏者が迫害された歴史も▼カテリーナさんの演奏のあと、3月にウクライナから避難してきたお母さんのマリアさんがウクライナ語で歌を熱唱した。ロシア軍によるウクライナ侵攻で犠牲になった人たちを悼む気持ちが切々と伝わってきた。()