ヒロシマの黒い太陽

「渡辺謙一監督とともに考えるヒロシマ」という催しが18日にありました(ヒロシマと映画を考える会主催、広島市内)。
上映された、映画『ヒロシマの黒い太陽』は、徹底的な情報管理下で進められた原爆開発「マンハッタン計画」の全貌に迫るもの。
フランス在住の渡辺謙一監督は1975年、契約社員として岩波映画に入社。『天皇と軍隊』(09年)、『フクシマ後の世界』(12年)、『核の大地—プルトニウム物語』(15年)、『国家主義の誘惑』(18年) など、欧州において遠い存在であるヒロシマやフクシマの共通理解を深める作品があります。『我が友・原子力』(20年) は今年5月、ブラジルで開催された「国際ウラン映画祭」で最優秀長編ドキュメンタリー賞を受賞しました。
『ヒロシマの黒い太陽』は、11年8月6日に放送されたNHKとフランスTVとの国際共同制作です。映画では、アメリカの核実験の際、何も知らされず参加させられた兵士たちや、放射性物質の人体への影響を調べるために、本人に何も知らせず鉛でくるんだ注射器でプルトニウムを注射するシーンなども生々しく映し出されます。
核の周辺にある隠蔽や虚妄は、一層悪質化していると感じました。水戸喜世子さんが言われるように「原爆と原発は一卵性双生児」なのですね。
上映後の討論では、祖父が長崎の被爆者という若者が、「大久野島に行き日本軍の毒ガス製造について学んだ。原爆と原発、被害と加害について考えた」と。被爆伝承研修者は「マンハッタン計画の中心人物が自ら出演してプロパガンダ映画が作られた。その撮影シーンの映像に驚いた」と。
小学校低学年で被爆した被爆者は、小学生のとき授業中にいきなり拳銃を携行した複数のMP(憲兵)によってABCC(原爆傷害調査委員会)に連行されたときの恐怖体験を語りました。
著作権の関係で監督の直接上映以外は鑑賞できない映画。「8・6平和の夕べ」にむけ貴重な機会を得ました。  (江田)