コロナ第7波が猛威を振るっている。オミクロン株BA—5の問題だけではなく、岸田政権の棄民政策がより混乱を拡大させている。7月31日には、東京都内で救急車が到着して100件以上連絡しても、受け入れ医療機関が決まらず自宅で死亡するという事態も起こった。
 
参院選を優先
 
岸田首相は、まるで「予想外にオミクロン株が急拡大した」かのように宣伝しているが、第6波までの感染パターンのデータに基づけば、早ければ6月はじめに、遅くとも7月には今の事態は予測可能だったはずだ。
東京オリンピックを強行、コロナ被害をより拡大させたのと同じく、参院選で「政府のコロナ対策はうまくいっている。次は経済対策だ」という選挙イメージをつくり出すため、BA—5を焦点にしなかった。その結果、自治体レベルでもコロナ第7波対策は大きく出遅れた。その責任は大きい。
報道によれば、夏休みシーズン直前に旅館・ホテルの予約キャンセルが殺到した。しかも、今回は「政府は行動制限していない。飲食店、観光業界への補償もしない」ということになり、「経済効果」の表看板は崩壊している。
医療現場では、この2年半の間にやるべきだった医療人材や保健部門の拡充などがほとんど進まず、大都市を中心に発熱外来がパンクする事態が続く。
 
人は支え合い生きる
 
私たちはお互いに支え合い、困難な局面を生き抜かなくては。実際に、介護現場で直面し「今できること」は、次のようなことがある。
やはり手洗い、うがい、マスク、換気の基本的な感染対策の徹底。マスクは熱中症とのかねあいでは、屋外でははずしてもよい。換気は、冷房との関係で悩ましいところだけど、空気の通り道を考え効率的に行なう。電話などを通じた「お互いの声かけ」も大切。知り合いの間で定期的に、とくに持病のある人には理由をみつけ、小まめに安否を確認するようにしている。
解熱剤の「カロナールが足りない」と一部の報道にあった。この薬の主要な有効成分は「アセトアミノフェン」。代わりの薬があり、焦る必要はない。市販薬でも、タイレノールA(東亜薬品)、ノーシンアセトアミノフェン錠(アラクス)、ラックル(日本臓器製薬)などがある。(『東洋経済オンライン』7月30日、高垣育氏)
熱中症対策の徹底が必要。熱中症とコロナの初期症状はよく似ている。救急隊員のみなさんは、「熱中症で倒れた」と一報が入ると、コロナの可能性を考えて出動することになる。猛暑のなか、コロナ対応の重装備で市営住宅などの階段を5階まで駆け上がって行く。救急搬送先も同様。医療ひっぱくを少しでも減らし、コロナ第7波を生き抜く、命を守る行動、協働が求められる。
(小柳太郎/介護ヘルパー)