
大阪・高槻で高校生が描いた「原爆の絵」展を観に行きました(8月27日)。ギャラリーに入り、最初の1枚目の絵を見て圧倒されました。原爆投下のその場にいるような臨場感のある絵だったからです。これが、原爆を体験していない高校生が被爆者から聞き取りをして描いた絵なのかと。
「忘れられない〜あの日」という絵は、火が迫る中、倒れた壁の下敷きになった女性が、恐怖と絶望の表情で「助けて」と叫んでいるのを見ながら、どうすることもできずに逃げなければならなかった私(自分)の苦悩が生々しく、ずっしりとして迫ってくる。
どの絵も現場で被爆した人しか伝えられないような、真に迫るものだった。このような絵を、1年かけて被爆者から聞き取り、何度も打ち合わせを重ねながら作成した高校生の絵の表現力もすごいと思った。それは高校生が被爆者の思いに応え、その思いを受け継ぎ、被爆体験を後世に残していくという強い意思をもって作業(創作)にあたった結果だと思いました。そして被爆者が高齢化する中で、この継承作業は素晴らしい作業だと思います。
広島平和記念資料館では、2007年から広島市立基町(もとまち)高校普通科創造表現コースの協力を得て、被爆体験証言者と同校の生徒が共同し、証言者の記憶に残る被爆時の光景を高校生が絵に描き、当時の状況を伝える「原爆の絵」の製作に取り組んでいるそうです。ぜひ、多くの人に見てほしいです。 (入江友子)
※「原爆の絵 基町高校」で検索すれば見ることができます。