沖縄県立平和資料館

「子どもは戦争のじゃま者だ!」。35年前、初めて訪れた沖縄・摩文仁の県立平和祈念資料館には「証言の部屋」があり、生き残った人々の証言が何冊もの大きな本となっていて、自分で頁を繰りながら読むことができた▼飛び込んできたのがこの言葉。住民が避難しているガマに押し入った日本兵が「子どもが泣くと米軍に見つかる」と銃剣を突きつけながら脅し、実際に何人も殺されたという母親の証言。そう、「戦争」の本質はこの言葉につきる。「軍隊は住民を守らない」のだ。今も続く戦争も同じ▼「反日過ぎる」という非難も根強くあったが展示は続いている。「無念の思いで死んでいった人たちを代弁できるものは、体験した住民の証言しかない。(中略)歴史の真実そのものだから」(資料館の案内)という沖縄の人々の強い思いが改変を許さないで来たのだろう▼今年末から大改修に入るが、展示変更は行わないそうだ。私にとっての「沖縄」はこの言葉と切り離せない。   (草)