事件を伝える関西生コン弾圧事件ニュースNo.76(7月15日付)

 関生支部弾圧をはねかえす闘いは、全国の仲間の運動と世論の力で、大きく前進してきた。この3年、労働委員会で95%以上の勝利、職場復帰、裁判で一部無罪などをかちとってきた。〈労働組合つぶしを公言する検事、空前の憲法違反の労働組合弾圧を許すな!〉が流れになりつつある。当該も組織壊滅攻撃に耐え、組織縮小したが骨格を維持し、新生関生支部として今春、再出発した。
 しかし、初審命令の不履行や、ストへの不当判決があり、攻防が続いている。このような中で、新たな攻撃がはじまった。
 
前代未聞の不法行為
 
 「ティーワイケイ高槻生コン」(大阪府高槻市成合)は、倒産の中から組合も協力して再建した工場で、全員が組合員の拠点職場。
 6月21日、「高槻生コン」で、経営が労働組合との交渉もなく、工場を大阪広域協組関係者に売却。そして7月8日、広域協組・大山副理事長は、協組員を引き連れて工場施設を破壊、ミキサー車などを略奪した。組合員の職場をなきものした。電源なども切断、車などで工場を閉鎖。前代未聞の不法行為だ。
 現場にいた警察も不法行為を容認した。組合の工場破壊執行停止の仮処分も、裁判所は棚ざらしにしている。使用者・協組・警察・裁判所一体の関生弾圧の構図だ。この暑さの中、現場では、張り付き、反撃の闘いが連日続いている。抗議の闘いが準備されている。呼びかけにこたえよう。
 
労働組合は生存権
 
 団結権は、憲法28条にもとづき、労働者が一人でも会社と要求交渉しストライキができる権利。治外法権の、世界にない権利。この団結権が犯されようとしている。それが関生弾圧だ。
 95年、阪神大震災のとき、ダイエーやそごうなどの非正規労働者の大量解雇が行われた。そして、工場が焼け、多くの中小零細の労働者たちが職場を失った。このとき、団結権を武器に労働組合をつくり、大企業と職安(ハローワーク)・労働基準監督署と闘い、命をつないだ。08年のリーマンショックのときもそうだった。
 労働者の命に関わる権利がこのように破壊されることを、全国の労働者の力で、跳ね返す闘いから、労働運動の復権ははじまる。今年4月には、あの米アマゾンの本体で、念願の労組がつくられた。関生弾圧との闘いは、新たな局面に入った。労働運動の波といえる。
(森川数馬、8月14日記)