9月19日、大阪市内で「安倍元首相の国葬反対! 大阪集会」が開かれた。台風が近づいているので参加者は少ないのではないかと思っていたが、満席を通りこして立ち見まで。秘密保護法、自衛隊集団的自衛権、安保法強行採決、モリ、加計、桜に見る公文書偽造まで、腹に据えかねている人がいかに多いかということだろう。

法的根拠ない

講師の高作正博さん(関西大学法学部教授)は、国葬の問題点の一つとして、内閣府設置法で国葬をおこなうのは無理がある、と述べた。同法第4条第3項には「前条第2項の任務を達成するため、次に掲げる事務をつかさどる」とあり、その「三十三」として「国の儀式並びに内閣の行う儀式」がある。これを根拠としているが、ここでいう「国の儀式」とは「皇室、栄典」にかかわることである。これを根拠にして国葬はできない。
また、費用の点でも国会の承認がいらない予備費を使うこと、吉田茂や中曽根康弘の葬儀と比べても、破格の巨費となっている点も問題とした。
政府は国民一人一人に弔意を求めるものではないと言いながら、その実、期待しているのではないか。「日の丸・君が代」の強制、コロナ対策の自粛要請(「自粛警察」)などの例を見ても、これまで中央から地方へ、そして現場へと降りていく毎に強制性が強まってきた。
安倍氏銃撃事件の犯行動機は旧統一教会と自民党の長い間の癒着にある。決して民主主義の破壊ではない。「民主主義を壊してきたのは誰なのか」と高作さんが指摘すると、満場の拍手がわき起った。  (池内潤子)