
「我、一命を賭して全ての統一教会に関わる者の解放者とならん。」山上容疑者が相談していた人へのメールと言われている。食べるのにも窮する毎日、宗教2世たちの心身の苦しみと絶望▼度重なる統一教会への解散要請を無視し、正体隠しの名称変更にゴーサインを出した下村元文科相。自民党と統一教会との政治的、組織的、心情的な癒着が暴かれた。今回の事件がなければ、カルト宗教と一体となった独断政治、戦争国家へのイデオロギー攻撃が隠蔽されたままになっていたであろう▼私たちが、そういう社会のあり様に見てみぬふりをしてきたのではないのかという叫び声が聞こえやしまいか。彼を地獄に追い込んだ政治や社会を放置して、誰が彼を批判できるというのか。社会や政治を振り返る機会は幾度かあったはずだ▼いま、社会の変革に踏み出せなかったら、私たちは自ら犯した過ちから、何一つ学ぶことができなかったことになる。そうなれば誰にも彼を裁く資格はあるまい。(村)