集会で決意表明する高槻生コン分会の仲間たち。左端は永田博分会長=9月30日、大阪府高槻市

大阪府高槻市で、組合をつぶすために生コン工場を丸ごと解体するという前代未聞の事件が起きている。この攻撃と闘う連帯ユニオン関西地区生コン支部(関生支部)の決起集会が9月30日、高槻市で開かれ167人が参加した。
組合つぶしの舞台となったのは、ティーワイケー高槻生コン(高槻市成合、以下「高槻生コン」)。1998年に倒産した同社の組合員の雇用を確保するため、関生支部はストライキを行い、暴力団らを排除するなどして闘った。その後、組合が工場を譲り受けて新会社を設立して再建した。
この高槻生コンの経営者が今年6月、組合にたいする説明もなく工場を京南生コン社に売却。7月には京南生コンは重機を導入して工場の解体を始めたのである。京南生コンの経営者は、大阪広域生コンクリート協同組合(広域協)の副理事長で、関生支部つぶしを主導してきた人物だ。今度は組合の拠点をつぶすために、職場そのものを消滅させるという暴挙に出たのである。
解体工事ではさまざまな問題が生じていた。セメントが野ざらしで放置されたため、強アルカリ性の水酸化カルシウムが溶け出し工場周辺に流出した。汚染水のPH値は12~14。これは漂白剤と同等かその10倍以上の強アルカリ性だ。工場周辺は農地が広がっており、近くを流れる檜尾川はゲンジボタルの生息地だ。強アルカリ汚染水による影響は看過できない。
また同工場では放射性同位元素カリホルニウム252によって測定する骨材表面水量計を使用していた。カリホルニウム252は中性子線を発するため、原子力規制委員会への届出が必要だ。その放射線源が、解体工事の過程で行方不明になっているという。関生支部はこうした環境汚染や放射線源の行方についても徹底的に追及する構えである。
9月30日の集会では高槻生コン分会の仲間が全員登壇して決意表明した。湯川裕司関生支部執行委員長のあいさつと高槻生コン分会の永田博分会長の発言を紹介する。       (葉月碧)

あらゆる反撃を開始する

連帯ユニオン関生支部
 湯川裕司執行委員長
高槻生コンは関生支部の牙城です。そこを広域協がつぶしに来たのです。工場の解体工事では違法行為がまかり通っています。どんな不法なことでも、金を持っていて、政治家と仲がよく、権力と結託していれば何でも大目に見てもらえる。今のゆがんだ日本の権力を象徴するようなことが起きています。私たちは分会とともに最後の最後まであきらめることなく闘います。関生の歴史は50年。世代交代した新体制は今年の10月で2年目になりますが、関生のスタイルは変えません。建前ではなく本音の運動をします。私たちは必ず勝ちます。あらゆる方向で反撃を開始します。ご支援をよろしくお願いします。 

経営再開、職場復帰へ

高槻生コン分会
   永田博分会長
(高槻生コンの)社長は、組合が推薦した雇われ社長です。労働組合が20数年運営してきた会社です。昨年10月の組合定期大会の後から生コンの出荷を広域協からとめられました。その後、組合・分会に一切報告なく、広域協の土俵で会社集約するという情報が入りました。組合にも相談せず、雇われ社長が一方的におこなってきたのです。社長は広域協の副理事長に1千万円で工場を売却しました。生コン工場が土地・動産付きで1千万円で売買されることは絶対にありません。その後、副理事長は私たちの工場を解体し始めました。現在では組合名義の事務所を残してすべて解体されました。話し合いもせず、工場まで解体し、私たちの職場を奪い取るやり方を絶対に許しません。分会員全員は今後も経営再開に向けて職場を守るために、勝利するまでたたかい抜きます。