17日の衆議院予算委員会で岸田文雄首相は、宗教法人法に基づく「報告徴収・質問権」を行使する考えを明らかにした。統一教会を追及してきた前参議院議員でジャーリストの有田芳生さんは「調査には時間がかかり、強制力もなく、調査項目も明らかにされていない。岸田政権の時間稼ぎに利用されるだけだ」とコメントした。その有田さんが1日、大阪市内で講演し、「統一教会問題はまだ序盤戦に過ぎない」として次のように語った。(要約/編集部)
 自民党の調査で180人もの議員が統一教会と関係していたことが明らかになっている。戦後自民党の最も大きなスキャンダルだ。自民党の関係者は、「打つ手がない、じっと耐えるしかない」と話していた。地方議員の信者は30人ほどいる。次の選挙で自民党は公認するのか。来年の統一地方選挙が注目される。
 民主党政権発足直後の12年前、統一教会の内部文書を入手した。「自民党、決して楽観できません。前回以上に票が必要です。山谷えり子参議院議員を当選させるために25万〜30万必要だ。ジェンダーフリー問題、青少年問題にとってなくてはならない先生でありますし、ここで男女共同参画社会5カ年計画が新たに内閣府から示され、民主党政権下でさらなる厳しい状況が予想されます。山谷先生、安倍先生無くして私たちの御旨(みむね)は成就できません。最後に有田対策ですけど、くれぐれもよろしくお願いします」という内容だ。
 当時私は参院選の比例代表で立候補していた。山谷氏を当選させることが「有田退治」になるというのだ。この統一教会の内部文書を今回、事件後に明らかにすると、国際勝共連合から抗議文が来た。両者が一体であることが明らかだ。
警察関係者によると山上容疑者は、銃撃時に「かんつるこ(韓鶴子=世界平和統一家庭連合総裁)」と声を発したという。彼は家庭崩壊、破産で人生を歪められ、母親を破滅へ追い込んだ統一教会に復讐しようとしたのだ。ここに事件の核心がある。統一教会が日本の政治を動かしているのではない。両者(自民党と統一教会)の方向性が同じなのだ。