全国集会で発言する三里塚芝山連合空反対同盟の市東孝雄さん=10月9日、成田市

 10月9日、三里塚芝山連合空港反対同盟が呼びかける全国集会に参加した。各発言は9月2日の「新やぐら裁判」判決を弾劾。仮執行処分付きの判決を東京高裁が下したため、現在、天神峰にある市東さんの農地と同盟の櫓、看板は空港会社がいつ撤去してもよいという法的状態にある。成田絡みの裁判では、「裁判で勝っても判決で負ける」と言われる。裁判官に強い統制が敷かれ、まともな法理が通用しない。「判決は判決、これからも体の続く限り天神峰の農地で畑を耕していく」と、静かに決意を語る市東孝雄さん(写真上)。強大な国家暴力を前にしても淡々と農民の生き様を貫く姿に、亡き東市さんの姿がだぶる。
市東さんの存在とたたかいには、行き詰まった社会を変えるヒントが詰まっている。反対同盟は「地球環境問題」という新たな視点で運動を進めている。航空機が排出する温暖化ガスは全体の3%、ヨーロッパでは飛行機に乗ることを環境破壊の「飛び恥」と言う。時代に逆行して空港を2倍に拡張する計画は、近代主義、成長主義を体現している。三里塚に学ぶ必要があると感じた。 (竜)