
16回目となる反戦・反貧困・反差別in京都が10月16日、京都市の円山公園音楽堂で開かれた。集会では元日本赤軍の重信房子さんが登壇、市民の一員として抱負を語った。
講演は大阪大大学院教授でドイツ現代政治と平和研究が専門の木戸衛一さん(写真右)。ドイツの平和運動が長らく掲げてきた「武器なしに平和を創る」というスローガンは、旧東独の強権支配と闘った民衆運動にそのルーツがある。1989年10月9日、旧東独のライプツィッヒで大規模なデモが行われた。当局は武装民兵隊に出動待機命令を出して弾圧を準備し、流血の惨事が不可避と思われていた。一方、反体制派の著名人たちは市内各所で「私たちは絶対的改革を必要としているが、運動が暴力に走ってはならない」と説いて回った。結果、当局は一切手を出せなかった。これ以降、民主化運動は加速度的に拡大し、ベルリンの壁の崩壊へと至り、非暴力こそが強いことが実証された。「武器なしに平和を創る」は絵空事ではなかった。しかし、ロシアのウクライナ侵略で「武器によって平和を創る」という立場が強くなった。民衆運動の課題は「政治のフェミナイゼーション(女性化)と若者に魅力のある運動にすることだ」と訴えた。