生死の橋  
             渡辺信雄 

出て来いよー
小鳥たちが
透き通った声で 呼んでいる
階段を下りて 
草木繁る 小さな大明神に参る
旗の神はビリビリに 破けている
先に逝った者に 手を合わし 眼を瞑る
鈴鳴らし 祈る
虫の声 鳥の声 
この生は「邯鄲の夢」か
虫や鳥とjazzを即興演奏する
(ここは静かな最前線)
草むらを 匍匐前進する
死とは永遠のことと気づく
いつの日か 生死の橋を
みんな渡るのだ