
11月3日、京都市東山区の円山公園音楽堂で「生かそう憲法、守ろう9条」を掲げて憲法集会が開かれ、1600人が参加した(写真上)。集会では、憲法9条京都の会代表世話人で京都大教授の高山佳奈子さんが開会のあいさつ。来賓として社会民主党の中村在男さん、日本共産党の穀田恵二さんがあいさつ。立憲民主党の泉健太代表はメッセージを寄せた。
講演は東大名誉教授の小森陽一さん。「いまや野外で講演できるのは京都のここくらいです。今日はよく晴れて紅葉も美しい」と切り出した。
9条の会の事務局長を務める小森さん。18年前(2004年)に会を結成したきっかけは文芸雑誌『すばる』で井上ひさしさんと小森さんとの座談会だった。昭和文学史をテーマに加藤周一さんをそこへ呼んだ。改憲が俎上に載せられるなかで、政党や労働組合が主役になるのでなく、市民を中心とした運動を考えようとした。そのとき加藤さんなど60年安保のとき20歳前後だった人たちに動いてもらおうということになった。文筆家や学者を集め、憲法学者も必要だからと奥平康弘さんにも頼んで、呼びかけ人が偶然9人になった。
「存命しているのは2人になったが、この18年間、なんとか改憲は許してない。戦争法反対闘争では創価学会や維新も集会に来るようになり、野党共闘ができた。これを恐れた自民党が統一教会との関係を深めていった結果が今日の事態だ」。
講演の最後で小森さんは「新たに敵基地攻撃能力や軍事費拡大に踏み込もうとしている。国葬反対の運動の勢いをさらに強め、運動を拡げよう」と訴えた。 (多賀信介)