図書館船 ひまわり

 永田浩三さん(武蔵大学教授)の「日本の図書館の歴史と民主主義について講演とトークセッション」が行われた(広島市内、11月6日/こども図書館移転問題を考える市民の会主催)。
 永田さんは、日本における図書館の歴史、図書館が民主主義の発展に果たしてきた役割など具体例をあげて話した。「広島出身で日本の図書館の発展に尽力した、元・国立国会図書館副館長の中井正一さんの『真理は見ることよりも支えることを求めている。真理と勝利は常に日常の味方である。歴史は、横から見られるよりも中に入って支えることを求めている』という言葉を引用。日本図書館協会の「図書館の自由宣言」などを紹介した。
 図書館の自由宣言は、「図書館は、基本的人権の一つとしての国民の知る自由に、資料を提供する重要な役割がある。権力の介入、社会的圧力に左右されない、すべての検閲に反対する」と述べている。『はだしのゲン』が小学校図書から閉架措置とされようとしたことがあったのは、2013年(安倍政権のとき)のことだった。
 かつて瀬戸内海の島々に図書館がなかった時代、移動図書館・文化船『ひまわり』が島を巡った。船は「ふね遺産」として尾道市に保存されている。
 永田さんは、「未来の図書館に向け広島の市民が育てる、世界に誇る民主主義と平和が生み出させるような図書館を育てよう」と訴えた。その後、永田さんと東京子ども図書館、広島文学資料保全の会、広島市こども図書館移転問題を考える市民の会ほかによるトークセッションも行われた。(江)