
11月19日、東大阪市にある朝鮮中・高級学校の創立70周年を迎えての一般公開授業があり、見学参加した。
以前から、なぜ朝鮮学校だけが「無償化」制度から排除されるのか、疑問に思っていた。政権は、「朝鮮民主主義人民共和国を支持する授業を行っているから」と世間に説明しているが、本当にそうなのか、一度授業を見学したいと思っていた。
朝鮮学校中級部の国語の授業の教室に入る。お正月の風習と民族遊びを紹介、解説していく授業で、先生が、朝鮮語でカラーのスクリーンを使い、ユンノリ(日本のすごろくのようなもの)、板とび、コマ回し、凧揚げなど紹介し、またお正月の色鮮やかで美味しそうな料理、お正月に着る民族衣装などが映し出された。朝鮮語なので、私には詳しい内容はわからなかったが、生徒たちの質問に、先生の丁寧な説明がなされていた。
日本と朝鮮の文化の違いはあるが、お正月を祝う気持ちは同じだった。古くから朝鮮に伝わる文化を大切にしていこうという先生と生徒のやり取りの中に、強い信頼関係を感じた。
歴史の授業では、「朝鮮通信使とは? なぜ朝鮮通信使を日本に送ったのか? 朝鮮通信使が日本文化に及ぼした影響を探ろう」という内容で、朝鮮語のため、十分な理解ができなかったが、先生の映像を交えた誇らしげな説明に、生徒たちは真剣に耳を傾け、生き生きとした授業だった。
授業の後、リレートークが行われ、校長・保護者・生徒代表がそれぞれ話された。印象的だったのは、保護者の人が、地域の民族学校(ウリハッキョ)をいかに大切にしてきたか、地域のみんなで造り守り育てて、地域のコミュニティーの中心、文化の中心として、弾圧をはねのけてつくられてきたことを語られたことだ。また、このような保護者、地域の想いをしっかり受け止めて前へ進んでいくという決意を持った生徒代表のスピーチだった。その後文化公演があり、民族器楽重奏、重唱、群舞などの民族舞踊があり、朝鮮の歴史・文化を感じさせる素晴らしい公演だった。
なぜこのような在日朝鮮人にとって当たり前の授業が、排除の対象になるのか、怒りを強く感じた。(入江友子)