
沖縄はコロナ感染率が下がり、県外からの観光客も多くなりました。辺野古ゲート前も、県外参加者が徐々に増え、11月の週末金曜の座り込みはいつもより大勢になりました。
さて、那覇市市長選挙(10月23日)に負けて、マスコミは「7市長選で埋め立て容認派が勝ち、オール沖縄は崩壊状態」と報じました。気分は良くないですが、いつまでも引きずってはおれません。たたかいは続きます。気持ちを整理します。
61%が辺野古反対
負けたけれども、そこから希望は見いだせないだろうか。那覇市長選のNHKの出口調査では61%が「辺野古新基地反対」です。ただし、投票行動では「経済振興」を選びました。もう一つ、相手候補は「辺野古新基地建設を容認」とは言えなかった。「名護市長の判断を見たい」と述べました。はっきり容認とは言えなかった。言えば、選挙に不利になるということです。
候補者討論会では、知念候補の「はぐらかし回答」に対し、辺野古反対を貫く翁長雄治候補は、「政治家として辺野古新基地問題をどういう認識しているか」「ポリシーは何かを示さないといけない」と反論しました。その切り返しが良い。まだ35歳ですから、希望があります。
沖縄の気持ちは一つ
どちらを応援するか結論を出さなかった城間市長は、市長選直前に知念候補を応援すると表明しました。知念候補が、「辺野古埋め立て賛成」と言わなかったことで安心したのでしょう。翁長雄治候補の母、翁長雄志前知事の妻である樹子さんは、「人それぞれ濃度の差があるだけ。沖縄の人の気持ちは根本では一緒かもしれない。でも、小さな県にこれだけ基地が多ければ、米軍による事件は今後も必ず起きてしまう。そんなとき、県民と一緒にたたかえないリーダーではだめでしょう。彼は、その点をいつかきっと問われるはずですよ」と話しました。
今回、知念候補の得票は64165票。9月の知事選ではっきり辺野古新基地反対を訴えた玉城デニー知事は、那覇市で72675票を得ています。これを考えると、今回の市長選は地域の課題で選んだのだと考えられます。「地域の課題」とは、城間市政の継続でしょう。城間市長は、オール沖縄の支援を受け2期8年の市政を担ってきました。知念候補は城間市長の副市長でした。35歳の新人である翁長候補より、副市長だった知念候補に市政の継続性をかけたかも知れません。辺野古反対の声が弱くなったのではないのです。
(富樫 守)