枯葉降る日に 
              渡辺信雄 
 
枯葉降り 舞い
大地を覆ってゆく 林の中
中空から 何の実か
渇いた地に 落ち
コーン コーン と跳ね返る
音が する
心の垢を 洗い落としながら
バリバリと 枯葉を踏み 歩く
蜘蛛は 自ら吐いた透明な糸で
巣を 張り巡らし
虫を 待っている
動かないで 待っている
多様な命の 連なりが
風に 揺れている
木枯らしが 吹いても
壊れない 強靭な 蜘蛛の巣